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その時好きなものや思ったことなどをゆるく語ってます(ゲームとアニメ、ドラマ、他) ※はじめに、をご一読ください

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「私の少年」3巻
未成年者と築く関係のリスクをとてもリアルに描いている。
ファンタジーで終わらせない、
そこにこの漫画の素晴らしさとこの作者の力量を感じる一冊だった

2巻までは漫画チックな展開でただふたりの関係が見ていて微笑ましかった
またましゅうの同級生の女子もいいキャラクターで、あの子を主観にした小学校の一日はましゅうの没個性にならず優れた人格がみれてよかった

3巻目では一変して、聡子とましゅうの幸せを一気にぶち壊すような「未成年者の親に了承なしで未成年者と仲を深めることのリスク」というのをありありと感じてリアルだ。
だがそのリアルさが、この漫画をさらに質の高いものに仕上げていてとてもとても読みごたえがある

父親にましゅうと出かけたことを知らせなかった聡子はたしかに問題があるが、ましゅうにたいしネグレクトをしている父にも問題がある
父は聡子を訴えなかったが、訴えなかったのは自分の育児放棄が明るみになってしまうことも考えてなのかもしれないとおもうと、この父親にはやはり怒りを覚える
父は聡子が30歳と聞いたとき「30歳は若い」といい、自分の亡くした妻?を思いだすあたり、何か心が荒む過去があったのかもしれない

聡子とましゅうの父とのやりとりはとても緊張しながら読みすすめてしまった
読んでいて「聡子が非常に緊張しているのがわかる。
というのも、聡子はどうも男性に対し一線を引くところがある
一線を引くというか防御体制にはいるというか・・
エー玉とビー玉のエピソードで、子供の頃の聡子の父とのちょっとずれたやりとりを感じるが、これが彼女の男性コンプレックスにつながっているのか?などとも考える

今後はどうなるのだろうか?
ふたりの再会が最後に描かれるが、まだましゅうは未成年者で聡子と関係を築くのはやはり問題だろう
かれは仙台に一人できたのだろうか?

1巻目より何度も読み返したくなる非常によくできた漫画であるが、その中で3巻はとくに優れたものであった
椎川の「冷水をかけたほうがいい場合もある」というセリフがなにげに好きだが、彼がましゅうの父の問題点に気づいたところに、人間の洞察に鋭い人だな
と感心した、そして椎川が聡子に感じていた思いが尻切れで語られないのも憎く、表現としてうまい
そしてそういうところを描くのがやはりこの作者はうまい

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