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その時好きなものや思ったことなどをゆるく語ってます(ゲームとアニメ、ドラマ、他) ※はじめに、をご一読ください

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まだこの感情の名前を知らない (ラミレス×ダン)
ラミレス→ダン で感情の芽生え的な話。 ラミレスの兄とかねつ造あり、ひねくれたところもあったけれどもダンと接するうちに変わっていくものも・・みたいな展開。 ラミダン好きなんですが、あまり見かけない・・増えないかなあ・・  ※誤字脱字、文章構成等は随時修正します



兄のような人、だと思った。 

そう思った理由として、なにより面倒見がいいし、がきっぽいであろうことにも夢中になって一緒に遊んでもくれるし、悩みを相談すればはじめは「おいおいそんなこともわからねえのか」などといってこっちが「真剣に聞いてください」といえば最後には真摯に目をじっと見て聞いてくれるし。
兄のような人、だった。いや、こんな兄がほしかった。
事実俺には二歳違う兄がいるがその兄は俺のすることなすことを否定し、虚仮にし、しまいにはなんといったと思う?
自分にはこんな弟などほしくなどなかったといっていた。 兄は共産主義のスペスナズ、マカロフの直下にいるのだと知った。別に捕虜になって捕まったわけでもない志願したらしい。 アメリカ人がそんなことが可能なのか理由など知らないが、知りたくもないのが事実だ。兄はもともと極端な考えをする人だとは思っていたが、こういうこともあってか名目とともに俺とは敵同士となった。 
あれはもう兄ではない。血のつながりはあるけれども、兄というのではない。
兄というのはもっとこう。

そういえば、この間プレデターの操作に気を取られていたときそれを奪われてしまい、気づけば俺は周囲を敵に囲まれていたときがあった。あれはバーガータウンでだったか。 
銃の装填も構えも、標準も間に合わない。 死んだと思った――――、瞬間目の前が自分の飛び散る血で真っ赤になっていく。 弾丸が身体を貫通し、それの死ぬことは痛い。死ぬことはこんなにも生臭い。 痛みでか、そんな虚しい感情でか、自分が皆の力になれなかったことでか、悔しさで痛みで、訳の分からない感情で、視界が涙でゆがむ。
死ぬときの光景はこんなものなんだ。ぼろぼろで視界も定まらない。きれいな女の子に抱き寄せられて「死なないで」なんてなかれて映画のヒーローのように死ねればなあなど夢を見ていたが。 バカみたいだ。
「こんなところで死ぬんじゃねえ」
「・・・っ・・・・?!」
「目、開けろ。」
俺を見下ろしているのは綺麗な女の子ではなく、なぜか「その人」だった。兄のような、と思っていた人。その人だった。
「伍長・・、・・・」
相手が誰だかとわかって、血の気が引いた。やばい、この人もここにいたらやばいだって周囲には敵が・・
「俺がやっつけてやった、大丈夫だ。」
こちらの視線が不安げに動いたのを察知したのか、そういって「感謝しろ・・」と笑おうと、いつものように冗談交じりに言おうとするけれどもその人も相当負傷を負っていて、顔は血まみれだ。いや、それは俺の血かもしれない。でも、やはりどこか撃たれたのか、辛そうに顔をゆがませている。
「すみません・・プレデター・・奪、・・われて・・」
声を発するだけで息が苦しい。体が相当にやられている。
「ああ?お前ぼさーっとしてたんだろ・・・」
「すみませ・・」
「仕方がねえ・・でもなくても戦いはできんだろ・・立てるか?」
身を引かれたと思ったとき、背中に吹き付ける風をかんじた。俺は手を添えられるようにして抱き寄せられていたのか、とその空虚で支えをなくしたと背に思う。
「立て・・ます・・」
ここで死んではいけない。この身を張って俺を助けてくれた人のためにも。脚に力をぎゅうっと入れた。
「無理はするな・・って言いたいけど、動けるなら今は猫の手もほしいところだ・・ほれ」
銃を渡される。血まみれのそれ。握る。握ったとき手はみしみしと痛んだけど、俺はまだ握れている。指も動く。体はそう、まだ動けている。
よろめく体を支えられるようにして立ち上がる。立ち上がった際、喉の奥のほうよりなにかがこみ上げて思わずむせた。床にえづけば、それには血が混じっている。肺をやられたか、呼吸が少ししにくい。
「はあ・・は・・ぁ・・」
「ラミレス・・。」
「大丈夫、俺は・・まだ・・」
履いた瞬間のしびれで手が震えていた。がちゃがちゃと銃が俺の手の中で震えている。
「まだ・・」
「ラミレス・・・」
「・・・・っ・・」
その人が、今まで見せたことのないような顔を俺にした。優しみに満ちるというか。そんな顔をして、俺をそのまま強く抱く・
「・・・、・・・っ・・・」
空虚だった何かが、また満ちるような気がして、
「・・・っ・・・」
訳もなく俺もその人を抱きしめ返していた。 満ちて満ちて、涙があふれてきていた。
胸が痛い。

遠くの向こうで戦火が聞こえる。 まだ戦場は続いている。
俺はまだ死なない、この人のためにも。仲間のためにも、この国のためにも。

兄のようなその人の背後を俺は今後も見つめて、そのあともずっと生きた。 
兄のよう、でももう兄でもなく。俺はその人が兄でなくてよかったと今では思う。

だって、俺はその人を。
その人を。

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