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その時好きなものや思ったことなどをゆるく語ってます(ゲームとアニメ、ドラマ、他) ※はじめに、をご一読ください

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Dark in the Bath (ケス+アチ)
シャワー室で複数回犯された経験のあるケストレルのトラウマ (っていうのが背後にある小話)

ざっくり書いて、見直しなしですので酷い文。
http://zvitaminzzz.blog.shinobi.jp/Entry/33/ こちらの後辺りの話。


シャワー室にはいい思い出がない。
体を洗える場所というクリーンなイメージはない。すくなくとも使用している時、今の私の相方のやつのように、その場所で、鼻歌を歌えるほどの余裕など私には無い。




「出たぞ。お次どうぞ」
「・・・・。」

部屋をノックされながら、言われた。私は体を横たえていたベッドにて、つぶっていた己の目を開ける。暗闇が眼前にはある。しかしそれもすぐに闇の中でクリアな輪郭をつくった。まるで明るさを灯された場所と違わぬ造形、いや明るさのもとで見るよりそこには安堵があった。

闇の中の様子がすぐにわかる。
これは私がいままで生きてくる間で身に付けた術だった。これがなくては生きてこれなかった。

私がスペスナズに提出した書類に私は自分の生い立ちから、そして捕虜としてとらえられた場所よりどうやって生き延びてきたかを書いた。
捕虜としてとらえられた際、闇の中で数週間過ごした。
明るさは無かった。それは私が、全ての灯りを消して壊したからに他ならない。
拷問の際、偶然に手にした小石をライトに当てて壊した。闇をつくり敵の背後に回って声を出さずに首を追って息の根を止めた。私はそうして倒した敵より銃を奪い、それで今度は小石では壊せないライトを壊した。
数日をかけて、敵を壊滅させた。闇を利用した。
闇は敵の視覚を奪える。私は生きるのに必死で、そして周囲の敵を全滅させるのに必死だったが、その後そう思うことができた。
物音をたてないように動き敵の急所を突く。これもこの間に十分に身につけることができた。

その後、ヴォロンと言う組織に呼ばれた。私の提出した書類を読んだと言うその組織は何を思ってか、私に目隠しをし、それを外されその後何秒で動きを開始できるか、を見たがった。
それは2秒だった。驚異的だと組織の人間はいい、その後の私の動きも見て私をそこに引きぬいた。

闇が利用できる私にはライトなど必要ない。起きあがると電気もつけないままドアを開ける。
明るさの中で、相方が自分の部屋のドアの前に立っているのが見えた。湯気を立てた体で肩にはタオルをかけている。

「・・・。」

清潔な石鹸の匂いがした。相方の使った洗面具の匂いであろう。
それにしても、この廊下も明るすぎる。私は違和感と、落着き無さを覚え近くにあった証明を「消灯」する。

「うおっ!」

自分の部屋のドアノブに手をかけていたやつが声を上げた。

「おい、いきなり消すなよ・・、ていうか、暗い。」
不機嫌な声でそういうと、こちらを向く。
やつが目を細めているのが闇の中でも分かる。

「点けろ。」
「こちらのが都合がいい。」
「何言ってんだ。暗いだろう。」
「私は気にしない。」
「俺が気にする。」

つかつかと歩いてくると、私の傍の灯りに手を伸ばし「点灯」させていた。

「・・・・。て、あれ・・?」

しかし私はその隙にシャワールームに向かっている。
闇の中の目は私のが優れている気がした。証拠にこうして、あいつの目をくぐり私は次の動作に移せている。
それは逆に明るい場所で動けなくなる私にも通じる。

私は、堂々と明るい場所にでていく相方に吃驚した。サンクトペテルブルグの脱出用エレベーターに向かうときに、警察が突入してきたのだが、照明スモークがたかれており、私は正直どうしたものかと思っていたのだ。
足がすくんでいた。
しかしあいつはどうどうと階段を下りてエレベーターに向かっていった。驚くべきことに一度も発覚されないでいた。
階段を真っ直ぐに降りるなど危ないと言っても、大丈夫だ、と言いきっていたがあの自信はどこから来るのか。
無謀なのか、それとも思ったよりできるやつ、なのか。

「・・・。」
シャワールームにはまだ湯気が立っている。
私は灯りをつけずにシャワーと浴びる、これも癖だった。いつ襲撃されてもいいように、自分に有意な状況を作っておくのだ。

「・・・・。」
気配を感じる。私は裸のままそっと壁際のところにカバーした状況でしゃがむ・・
ところを急に明るい照明がつけられはっとした。

「・・・ケストレル?」
「・・・・・。」
「お前、何暗闇でシャワー浴びて・・・・ しゃがんでるんだ・・」

相方でもあるやつが吃驚した顔で、シャワー室の前で突っ立っている。まだ肩にはさきほどのタオルがかけられている。髪も濡れたままだ。

「・・・・。」

シャワーの床をたたきつける音が耳奥に響き、私は思いだしたくないものを思いだす。

明るい場所で、襲撃を・・受けた
これ見よがしに、明るい場所で・・

シャワーからはあつい湯がそそいでいた。裸で押さえつけられた私の上に、注いで
怒声と罵声と、痛みと
絶望と。

「灯りを消せ・・」
「は・・?」
「消せ!」

私は叫んでそのままその場で動けなくなってしまった。
体が、その時のことを思いだし、硬直していた。

「おいおい・・・」
「・・・っ・・!!・・・っ・・・」
「・・・・ケストレル・・」

ぱちん、と照明が消え、部屋に暗さがやってくる。それに安堵する。

「・・・・・・・」
「・・・・・。」

冷えた体でぎゅと縮こまる。
嫌なところを見られた。私は、嫌なところを・・

「任務は明日だ。風呂からあがったらスネークカムで確認しておけ。」
「・・・分かった。」
「それだけ、言いに来たんだ。」
「・・・・・・。」
「じゃあ・・」

去っていくのが視界の端で見える。
嫌なところを見られたが、何も触れないでくれたのはありがたかった。


シャワー室には、いい思い出がない。







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